| 16世紀、地中海交易で繁栄を極めた快楽都市ヴェネチア。その水の都に、上流階級の男たちを魅惑したひとりのコルティジャーナ※がいた。その名はヴェロニカ。美しさと気品、そして快楽に導く性愛の奥義で男たちを喜ばせ、さらには、彼らと対等に詩や文学や政治について語り合う教養を備えていたという。彼女の噂はヴェネチア中に広がり、ついには軍の一兵卒にまでにその存在が知られるようになった。当時ヴェネチアが相対していた屈強なオスマントルコ軍との戦いにおいて、彼女の高貴な精神と肉体はヴェネチア全兵士を奮い立たせる原動力になったと、ヴェロニカ・フランコの伝記に記されている。
紀尾井美咲―――ヴェネチアの男たちを魅了し、妻から夫を奪った魔性の女として宗教裁判にかけられた高級娼婦の物語が、この女性に二重映しとなって私の脳裡に甦った。
鼻筋が通った知的な面立ち。肌理細かい真っ白の肌。ビーナスのごとく豊かに実ったバストの頂きには、わずかに褐色を帯びたピンクの乳首が神々しいまでに・・・。しかし、その身体は常に発情しているかのように熱く、男の生理を知りつくした奔放で大胆な性技、愛技、口技は、まさにコルティジャーナ。
彼女を指名したあなたは、この世に同じものが二つあることは許されないという必然性と、この世にたったひとつのものに思いがけず出会えたという偶然性の嬉しさを感受できはずだ。だが、二度目の指名には大人の男としての覚悟がいる。自制心のない男が安易に近づくと、この女の虜になってしまうであろうから。私でさえ、試食するのをためらったぐらいなのだ。
抑制の効いた精神を持った会員様だけにお勧めできる、Dangerous beauty(――
それが、紀尾井美咲である。
※コルティジャーナとは、貴族や王族、高級将校など最高位の男性の相手をつとめることができた高級娼婦。彼らと対等に渡り合える知識と教養を身につけ、洗練された身のこなし、礼儀正しい言葉遣いなどをしっかりと仕込まれた最高のレディとして、貴族の婦女子が嫉妬するまでの存在であったと言う。
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